博愛主義者2

「なんで泣いてるの?」

「・・・」
いきなり核心を突かれてしまい、思わず無言になる。
しゃくりあげそうになるのを必死に我慢していた。何でもないですと、喋りたくても喋れない・・・

「・・・」
何も言わない私を、仙道さんは暫く黙ったまま見つめた。
私は下を向いて、仙道さんの大きな靴ばかり見ていた。止めようとしても、溢れた涙が頬を伝う。
どうしよう、何か言わなきゃ・・・
「ねぇ。」
私が焦り始めた頃、仙道さんが唐突に話し始めた。
「アイスでも食べよっか?」そう言って、にっこりと笑った。

バニラアイスにパクリとかじりつく。
ひんやりとしていて美味しかった。
仙道さんも嬉しそうにチョコアイスにかじりついた。
「ありがとうございました」
アイスを食べ終わり幾分落ち着いてきたので、お金をアイス分、仙道さんに渡そうとした。
「いいよ。やめてよ」
そう言って笑顔で拒否される。

「ねぇ」
仙道さんが口を開く。
「あのさぁ・・・」
辺りはもう、真っ暗だった。
 

 

続く